現代から少し先の未来のお話 「ドーン:平野」を読んだ。

しかし、”目標”というのは、常に、”目的”よりも先になければなりません。

いまから少し先の未来。
2030年代のお話。

主人公は、医師として火星の有人調査に参加し、
無事帰国する。
地球上では、初の偉業ということで持ちはやされるクルー達。
しかし、その裏には、おおやけには
公開できないある事件があった・・・。
宇宙船ドーンの中でなにがあったのか?
物語がすすむにつれ、事実が判明していく・・・。

ドーン (100周年書き下ろし)
平野 啓一郎
講談社
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人間は社会に有益だから生きていて良いんじゃない。
生きているから、何か社会に有益なことをするんだ。

本書のなかで面白いのが、
実際に、今はないけれど、
今後、実現するかもしれないようなモノが登場すること。

たとえば、

《ウィキノベル》
これは、ウィキペディアの小説版のようなもので、
小説を不特定多数の人が、作り上げるサイト。
物語では、主人公たちのドーン内での事件が
ウィキノベル内で想像で作られた世界と共に紹介されていく。
このように事件の裏にある真相を予想し、
それをいろんな人が明文化することは面白いかもしれない。

《散影》
町中に張り巡らされた、防犯カメラ。
この世界では、
この防犯カメラの映像がすべて閲覧できるようになっている。
しかも、顔認証技術により、
ある特定の人間の行動を調べたい場合、
名前をいれれば、その人間がどこにいたか、
防犯カメラにとらえられていれば、確実に把握できるという。
プライバシーの問題を完全に無視したシステムの
ような気もするけれど、実際に裏側では似たようなシステムが
ありそう・・・。

SF作品だけれど、
今とそうおおきく違う未来ではないし、
おおいにありえそうな未来だ。

ただ、未来の描画以上に、
人間の心理的な描画が秀逸な作品なので、
そこによりいっそう、引き込まれた気がする。

自分の好きなことを一生懸命がんばる。うまくいかないときには助け合う。

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