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久保のブログ

就活の面接などに挑む新卒の姿を通し「働く」とは何かを模索する 「シューカツ!:石田衣良」を読んだ

シューカツで試されるのは、
学力でも知識や経験だけでもなかった。
性格やルックスまでふくんだ、
その人間がもつすべての力が試されるのだ。

世の中には経験しておけばよかったと後々になって
後悔するものがいくつかある。

個人的には就活もその一つ。

新卒というゴールデンチケットを思っているときになぜそれを
活用しようと考えなかったのか。
不思議で仕方がない。
「シューカツ!」は、大ヒットとなったIWGPの作者が描く、
とある大学生の就職活動の物語。

ざっくりあらすじ

主人公、千尋を含む、仲良し同級生グループは、就活のシーズンを迎え、
共同して就活を行うチームを作る。
TV関係やマスコミ関係を希望する主人公は、
インターンやOB訪問、そして面接・テストなどの就職活動を通し、
働くコトの意味や、仕事の意味など、
さまざまなことを感じ、学んでいく・・・。
最後の終わり方も非常に興味深い。

シューカツ!
シューカツ!

posted with amazlet at 11.06.19

石田 衣良
文藝春秋
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感想

毎年、自分が働いているビルでも就職活動をしている、
スーツがういういしい新卒のフレッシュな方々を目撃する。
彼らは正社員という安定を求めて活動をしているのか・・。
それとも、働くという刺激を求めて活動をしているのか・・。
それともただなんとなくやっているのか。

シューカツでも仕事でも勝手にいききしてるほうが勝ちなんだ

自分は、就活をほとんどしてこなかったので、
就活という人生の新たなスタートを決める大事な試合が
ここまで緊迫していることを知らなかった。
読んでいて非常に緊張間が伝わってくる。

きっとね、社会にでて働くってことは、ずっとこういうひろひりした感じが続くんだ。
あちこちにぶつかったり、失敗したりしながら。
シューカツって生きることと変わらないんだよ。

彼らも大変な心境で就活をしていると思うと、
なんだかかわいそうになってくる。
でもそれは、人生の試練。

働くことの意味を理解している人は、
実際に働いている人でも少ない。
(もちろん自分もいまだによくわかっていない)

たとえ、
意味がわからなくても働かなくちゃいけない。
だから、就職しなくちゃいけない。

人生を充実させるのは自分であり、意味を作るのも自分だから。

本書の中の主人公 千尋の就活を通して、
就活をする学生の苦しさや悩み、葛藤などがすこしわかった気がする。

ストーリーも非常に面白く、ためになると思う。
就職活動前の人は、”面達”を読む前に読むといいと思うし、
もちろん、すでに働いている人が読んでも楽しめると思う。

器用さよりも、その人の人間性が最後には鍵をにぎってると思う。
なんだかいい感じだなとか、素直でのびのびしてるなとか、
その人のもってる空気感が大切だ