『小説のこと』についてのブログ記事

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どんな子どもも、ひとりぼっちでこの世に生まれてくることはありえない。
世界中のすべてのひと。あらゆる時代の、あらゆるひと。例外などない。
生まれてきた瞬間にいちばんそばにいてくれるひとは、どんな人間の場合も、母親なのだ。
思いだすことすらできない人生のいちばん最初の記憶に、母親がいる。
その深い深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていても、決してひとりぼっちではないのかもしれない。


父親の事故により巻き添えになった、
犠牲者に何十年も罪の意識を一人で背負った母親。
こどものいじめ問題に悩む母親。仕事と育児の狭間で苦悩する母親。
などなど、さまざまな母親の苦悩が本書にはある。


かあちゃん
かあちゃん
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重松 清
講談社
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人間は、誰もが弱くて、
ちょっとしたことで崩れて、壊れて、また戻って、
そんな繰り返しで。
でも、その中で成長しながら生きている。

悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだと――誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が教えてくれた。
悲しみを胸に抱いたまま生きていくことは、決して哀しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。

この本は、泣いた。
最後はボロボロきてしまった・・・。
(家で読んでて良かった。)

ステップ
ステップ
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重松 清
中央公論新社
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母親を若くして失った親子の物語が、
父親の視点で描かれている。

母親がいないことで生まれる周りとの葛藤。
仕事、育児、学校。
それぞれが短編で描かれており、親子は短編ごとに成長していく。

つまり、知識の探求に加えて、われわれは家庭でも学校でも、共感する心というものを教えるべきだと。
われわれの子供たちに、他人の目見、感じる心を育むように教え、他人を思いやるように導いてやるべきだと。
自分たちの家族や友人ばかりではなく――それだったらしごく容易だ――異なる国々の、さまざまな種族の、宗教の、異なる知能レベルの、あらゆる老若男女の立場に自分をおいて見ること。
こうしたことを自分たちの子供たち、そして自分自身に教えることが、虐待行為、罪悪感、恥じる心、憎しみ、暴力を減らし、すべてのひとびとにとって、もっと住みよい世界を築く一助となるのだと思う。

前々から気になっていた、
「アルジャーノンに花束を」を読んだ。

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)
ダニエル キイス
早川書房
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知的障害をもつ主人公は、脳にある手術を受け、
それが成功ししだいに知識を得ることが可能になる。
その知識を得るスピードは、通常の人の何倍もの早さで、
みるみるうちに天才となった。

知識を得たことで、知ることになる自らが過去に受けたイジメ。
悩まされることになる恋愛感情、友人関係。
周りの人間との知識の差。

さまざまなコンフリクトに主人公は、悩まされ、
周りの人間に対する心遣いも忘れ、高慢になっていく。

が、その後、主人公を待ち受けることは・・・・。

目に見えるものが本当のものとはかぎりません。 ぼくの敵はぼく自身の中のぼくでもあります。 ぼく自身の中に非ぼくがいます

村上春樹が阪神淡路大震災をきっかけ?として書いた短編集。
神の子供たちはみな踊るを読んだ。

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社
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「かえるくん、東京を救う」は、
いままでの作品とすこしテイストが違う感じで特に面白かった。

ある日、突然、主人公の目の前に来たカエルくん。
大地震を起こそうとする大ミミズを、
退治するために協力してほしいと頼まれる・・・。

仲間が欲しいのに誰もいない『ひとり』が、『孤独』。
『ひとり』でいるのが寂しい『ひとり』が、『孤立』。
誇りのある『ひとり』が、『孤高』。

重松清の疾走を読んだ。

疾走 上 (角川文庫)
疾走 上 (角川文庫)
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重松 清
角川書店
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主人公に次々起こる不幸・・・。
ここまでやるかってくらいの不幸・・・。
読んでいて、どうしようもない。

深夜に読み終えて翌日は、
ペシミスティックな考えしか頭に浮かばず、
ボロボロだった。
(というか夢の中までペシミスティックな夢だった。。。なんだか忘れたけど。)

たくさんあった辛い出来事を
このひと言でなかったことにするのは、なしです。
0をかけるってこういうことなのかな。

往復書簡
往復書簡
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湊 かなえ
幻冬舎
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人間は、自分自身の1回の生涯を送ることしかできない。
(生まれ変わりとかあるかもしれないけど、知らないし。)
でも、さまざまな媒体を通して、
他の人間の生涯を擬似的に一部的に体験することはできる。

それは人としての価値観を広げる、
すばらしい行為だと思う。

小説もその媒体のひとつであり、
「往復書簡」は、小説という媒体のなかで、
さらに手紙という媒体だけを通して作られたストーリー。

すべてが変わった以上、自分も変わらなければ生き辛くなるだけである。
それに口惜しいけど、年齢とともに男のほうがはるかに弱く、頼りなくなるようである。

孤舟とは、
ただ一艘浮かんでいる舟。という意味らしい。

孤舟
孤舟
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渡辺 淳一
集英社
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どこかで面白いという評判を聞いていたとおり、
たしかに面白く、興味深い本だった。

20代後半の自分にとっては、すぐに起きる問題ではない。
でも、これからの生涯、社会のいろんな地位、セルフブランド そんなものが
なくなっても生きるすべをつくること。
それは大切なことだと思った。

ただ、それと同時に、この本を読んでいると、
なんだか気がめいっていく自分もいた…。

会社を60歳で定年退職した男が、物語の主人公。

自分がやったことを、全部そのまま受け入れて生きていける人なんていない。
どこにもいない。
失敗をぜんぶ後悔したり、取り返しのつかないことを全部取り返そうとしたり、
そんなことやってたら生きていけっこない。だからみんな物語をつくるんだ。
昨日はこんなことをした、今日はこんなことをしてるって思い込んで生きている。
見たくないところは見ないようにして、見たいところはしっかり憶え込んで。

「向日葵の咲かない夏」を読んだ。

前々から、評判は聞いていて、
買っていながらずっと読んでいなかった。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾 秀介
新潮社
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読んでみて、
評判どおりのすごい作品だと思った。

小説を読むとき、物語を読み進めるにつれて、
自分の中に仮説が出来上がる

こんなことがあったから、こうなる。
こういう理由から、犯人はこれじゃないか。
とか。

散るべきときに散ってこそ
男と生まれし甲斐はありけり

特攻隊や、戦犯裁判などで、
戦死をされた方々が最後に家族に宛てた手紙を
まとめた本。
「国民の遺書」を読んだ。

国民の遺書  「泣かずにほめて下さい」靖國の言乃葉100選
小林よしのり 責任編集
産経新聞出版
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みんな、自分と同じくらい、
いや、自分よりもむしろ若い世代。
彼ら、彼女らにも、
これから先の夢や希望があったであろう。

それでも国のために戦うことを選んだ。
彼ら彼女らには、ひとりひとりが、
誇りを持ち戦っていたのだろう。

『硝子のハンマー』のシリーズ。
狐火の家を読んだ。

狐火の家
狐火の家
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貴志 祐介
角川書店
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密室事件の短編が4つ掲載されている。
一言で言うと、
田舎、将棋、クモ、犬って感じかな。


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