どんな子どもも、ひとりぼっちでこの世に生まれてくることはありえない。
世界中のすべてのひと。あらゆる時代の、あらゆるひと。例外などない。
生まれてきた瞬間にいちばんそばにいてくれるひとは、どんな人間の場合も、母親なのだ。
思いだすことすらできない人生のいちばん最初の記憶に、母親がいる。
その深い深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていても、決してひとりぼっちではないのかもしれない。
父親の事故により巻き添えになった、
犠牲者に何十年も罪の意識を一人で背負った母親。
こどものいじめ問題に悩む母親。仕事と育児の狭間で苦悩する母親。
などなど、さまざまな母親の苦悩が本書にはある。
人間は、誰もが弱くて、
ちょっとしたことで崩れて、壊れて、また戻って、
そんな繰り返しで。
でも、その中で成長しながら生きている。